ネットワークの歴史1

インターネットって、不思議ですよね
チャット、音声だけじゃなく、動画までも、
北海道から沖縄まで、ほとんどリアルタイムに情報交換ができる。

CCNAを勉強するときに、インターネットの歴史を調べてみたんですが、
わかりづらかったので、自分なりにまとめてみました。
現状まで絡めた資料がなかなかないので表面的な部分だけを書くことにしました。
プロトコルだとかコアな部分は調べればすぐわかるので、
TCP/IPだとか詳しい話はかきません。
興味のある方は、調べたり、リンクを参照してみてください。


インターネットとは

小さなコンピューターネットワークの集合体と考えていいでしょう。

ネットワークとは

ネットワークは広義では、人と人との言葉のやりとりもその意味に含まれます。
口コミネットワークというのもネットワークです。
今回のように、いわゆるコンピュータの世界でいうと「複数のコンピュータを接続する技術」です。
コンピュータネットワーク - Wikipedia

インターネットのはじまり

 なぜインターネットが始まったか。
実は、こういう革新的な技術を開発しようと思う理由って大体、軍事目的みたいです。
もともとは、戦争中に軍事データを無事に通信させるために、提案されました。
たとえば、現在利用されているインターネットは、
一つの通信経路が断たれても、別ルートへ迂回し、信頼性をあげています。
この発想は、ある経路が断たれても別ルートで軍事データを無事にやりとりするという
目的が発端らしいです。
(実際は、開発者の一人は、軍事利用目的ではないと反論があるが、
以上が一般的な認識となっている)

最初の仕組み

 今でさえ世界中と通信することができるインターネットですが、
初期の試験段階では小さいものでした。
1969年にアメリカ国防総省の国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency:略称DARPA
の指揮の下開発された、ARPANETがインターネットの起源といわれています。
最初は数カ所の大学で通信をしたりと、実験と検証を繰り返したようです。
ARPANET - Wikipedia

規模の拡大

 1990年頃にアメリカ中のネットワークは繋がり、商用プロバイダができました。
インターネットが民間で利用されるようになったわけです。(この時点でARPANETを解消)
現在のインターネットはこの頃からの発展です。
次第に世界中と通信ができるよう、インフラも構築されていきました。
 ちなみに、アメリカとか他の大陸と通信するために、日本は海底に光ケーブルを敷設しています。
離島などと結ぶのも海底光ケーブルですし、
通信をする(電話など)、ということで言えば、無線や、衛星を使った方式もあります。
ただし、伝送容量はもちろん光ケーブルが多いので、高速通信が必要なインターネットでは
光ケーブルを媒体にしていることがほとんどです。
その相互接続ポイントをIX(インターネットエクスチェンジ)と言います。
インターネットエクスチェンジ - Wikipedia

通信網

インターネットは、通信経路が網の様な構成でできています。
いわゆるメッシュ型で構成されています。
他にもスター型やフルメッシュ、バス型などがありますが、
それらが合わさって出来上がったものと考えてください。
なぜなら、通信路は通信事業者次第であり、経済性や信頼性を考え、
状況に応じた通信網の構築がされているからです。
つまり通信事業者によりきりでまばらということです。
(他にも通信形態は以下のようなものがあります。
ネットワーク・トポロジー - Wikipedia

通信事業者

 通信事業者とは、通信の伝送路を提供するもの、と考えて間違いありません
日本で言えば、NTT、KDDIソフトバンクBBJ-Comなど。
以下、通信事業者は主にNTTに例えることにします。



インターネットの構築される概要は、
大体こんな感じです。
アメリカにできた、通信網が、全世界でもできはじめ、
その小さいネットワーク同士を結びつけることで
インターネットとなっている、ということです。


下記は本当に抽象的な例を書きましたが、下記のようにネットワークの構成は事業者次第であり、
事業者同士橋渡しする部分があるということです。
たとえば、NTTのサービスを利用している人がKDDIのサービスを利用している人まで通信するには、
両方の通信網を通って行くことになります。
(一つの事業者同士であれば、基本的にその事業者内の通信で済む)




通信媒体の遷移

通信媒体は、現在の日本においては光ケーブルなどが多く使われています。
他にも、ADSLならメタルケーブルが使われますし、多岐にわたります。
使われるケーブルの種類と、どの部分で使われているか列挙します。

電話回線(メタルケーブル)

 固定電話の話に鳴りますが、インターネットに関わることなので少し。
固定電話のために敷設されている、銅線のことです。
銅でできているので、メタルケーブルとも言います。
電話回線は、通常2線式でできています。2本で1対となります。
ちなみに、固定電話の方式には、アナログ回線方式、
デジタル回線方式(ISDN)があります。
素材が銅なので、電気信号を送って通信することができます。
アナログ回線方式では、音声をそのままのせ、
デジタル回線方式では、1と0のデジタルで通信をしています。
※アナログ回線、デジタル回線にまつわる話は、いつか書きます。

  • メリット
    • コストが安い。取り扱いが簡単で敷設が容易。

 →銅線は比較的細く、柔軟に曲がります。

  • デメリット
    • 環境に弱い。高周波数が伝損しやすい(後述)。

 →シールドと呼ばれる保護帯がない。銅のためさびたりする。
  さびさせない為に、基幹部分は多く工夫が見られる。

  • 使われる区間
    • 現在は主に、NTTの局舎(通信を中継するビル)から、ユーザー宅の間。

昔は、局同士もこれが使われていた。

同軸ケーブル(メタルケーブル)

 これも素材自体は銅のため、メタルケーブルの一種です。
(一般的にメタルケーブルといえば電話回線のことを指すが。)
同軸ケーブルは、テレビとチューナーをつないだりする部分にも使われています。
自分としては、これが通信の媒体で使われていたのは意外でした。
同軸ケーブルは、インターネットのためには今ではほとんど利用されません。
線が太くて、扱いにくいという理由があるからです。
今あるLANケーブルが普及するまでは、企業内などで主にこれが利用されていました。

  • メリット
    • 電話回線のメタルケーブルと違い、シールドで保護されており、外部影響を受けにくい。
  • デメリット
    • シールドがある分太く、配線しにくい。取り回しが難しい。
  • 使われる区間
    • 企業内、家庭内など。(現在は下記のツイストペアケーブルが一般的)

同軸ケーブル - Wikipedia

ツイストペアケーブル(LANケーブル)

 現在、企業内・家庭内で最も普及している通信回線です。
様々な仕様があり、通信速度などが違います。CAT-6など。
一般的にLANケーブルと呼ばれることが多いですが、
厳密にいえば、LANケーブルは、LAN(企業内や家などのローカル範囲)で使われるケーブルをさすので、
LANで使う以上は同軸ケーブルや光ケーブルもLANケーブルと言えます。
説明すると結構長くなるので、ここでの詳細の説明は省きます。
要は、現在のLANではツイストペアケーブルが利用されている、ということが重要です。

  • メリット
    • 取り扱いが楽。LANケーブルに対応した機器(スイッチなど)が多いため、汎用性が高い。
  • デメリット

線の長さに制限がある。家庭内では気にならないレベルだが。

    • 使われる区間企業内、家庭内など。

ツイストペアケーブル - Wikipedia

光ファイバーケーブル

 光ファイバーケーブル(以下 光ケーブル)という言葉自体は有名です。
ツイストペアケーブルなどと比べての違いを示します。
まず、素材がガラス繊維です。その名の通り、光で通信を実現します。
ガラス繊維ということは、折れます。曲げに弱いです。
ある程度曲げることができるように工夫はされていますが、どの光ファイバーも、
曲げすぎると折れます。
良く言われる事ですが、通信速度が速いです。
なぜ早いかというと、通信方式が光だからです。
ツイストペアケーブルは銅線でできているので、電気を流します。
つまりどう頑張っても電気の流れる速度以上の速さはだせません。
光は別です。この世で最も速い物質と言われており、事実上速さは無限です。
送り手と受け手の装置(ルーターなど)がネックになり、速度が決まっているにすぎません。

  • メリット
    • 速い。環境に強い(ガラスは錆びない・電磁的影響を受けない)。
  • デメリット
    • 扱いにくい(曲げに弱い)。比較的高い。細いのでメタルと比べて省スペース化が可能。
  • 使われる区間
    • 局舎からユーザー宅まで。局舎同士をつなぐ伝送路。
    • 一般的ではないが、LANでも利用は可能。



まとめると、
同軸ケーブルが利用されていたのがツイストペアケーブルへ、
電話回線が利用されていたのが光ファイバーへ、
ということです。

サービスの遷移

日本における過去から現在へのサービスの移り変わりを説明します。

ダイヤルアップ通信(アナログ回線方式)

ダイヤルアップ通信は電話回線を用いた通信です。
インターネットができるより前に、電話は普及していましたが、
その従来の電話回線を利用して、インターネット通信を行う方式です。
仕組みとしては、音声をのせる代わりに、インターネット通信をさせる、という単純な考えです。
ただし、通話の代わりにインターネット信号を通信しているということは、
その間は通話中と同じ状態(課金が発生する、電話は通話中になり着信発信ができない)
となってしまいます。
利点としては、特別な工事が要らない点です。
従来の電話線を使うことで、インターネットを実現させている強みです。

  • メリット
    • 固定電話を利用していれば工事不要。
  • デメリット
    • 電話回線を占有してしまう。料金が高くつく場合がある。仕組み的に通信速度が遅い。
  • 現状
    • ほとんど利用している世帯は少ない。利用するとすれば例えば光やADSLが開通するまでの代替手段とはなりうる。

ダイヤルアップ接続とは - IT用語辞典 e-Words


ダイヤルアップ通信(デジタル回線(ISDN)方式。サービス名:フレッツISDNなど)

 ISDN(デジタル回線)方式の電話回線がありますが、それをインターネット通信に利用したものです。
アナログのダイヤルアップに比べ、通信速度が向上、料金も安く(定額制のため)なりました。

  • メリット
    • 固定電話を利用していれば工事不要。定額制も選べた。上記に比較すると少し速い。
    • 通信方式がアナログと違うので、電話回線を占有しない。(電話も同時に可能)
  • デメリット
    • 絶対的に見れば通信速度は遅い。
  • 現状
    • インターネットのためにISDN利用する、ということはまずないが、未だにISDN回線自体は利用される。
    • 例えば、一つの申し込みで電話用、FAX用などと、割り振れるため、

過去に申し込んだ企業が現在も使い続けているケースが多々ある。
INSネット64・ライト|新規電話のお申込み|電話トップ|Web116.jp|NTT東日本

ADSL(サービス名:フレッツADSL、YahooBB!ADSLなど)

 ADSLを利用したことがある人も多いと思うが、
これがインターネットの普及を推し進めた一つの要因となっています。
従来のダイヤルアップ方式と比べ、通信速度が著しく速くなりました。
サービスとして提供される50Mbpsというのは、ダイヤルアップ最大速度128kbpsと比べると数百倍の速度差があります。
これ以降の速度の速いインターネットサービスを総称して「ブロードバンド」と言われるようになりました。
(ダイヤルアップなどは「ナローバンド」と呼ばれる)
ADSLに関する歴史は、料金や企業競争も含め、ADSL黎明期には様々なことが話題になりました。
ここに書くと長くなるので、これも今度書きます。
ADSLの仕組みは、上記のダイヤルアップ(アナログ回線)の仕組みと考えと同様に、従来の電話回線に信号をのせるという点は同じです。
ただし、電話とは別の周波数帯を使います。
電話回線で使われていなかった周波数帯に、インターネット通信の信号をのせます。
電話のための信号は、電話回線のごく一部しか使われてなかったのです。
ただし、これには問題があります。
ADSLは電話に比べて高周波数帯を利用することです。
周波数が高いということは、それだけ伝損が大きいということになり、
電話回線の線長が長ければ長いほど(つまりNTT局舎などから遠ければ遠いほど)、
通信速度が落ちるということです。
さらに言えば、ADSLはアップロード速度がダウンロード速度にくらべ著しく遅いです。
ADSLのAはアシンメトリック、つまり非対称という意味であり、アップロードとダウンロード速度の非対称性を表しています。
電話回線で利用できる周波数帯の大部分をダウンロードのために当てたため、このようになっています。
インターネットで個人が利用するのはダウンロードのためである場合が多いため、
意図的にそのように設計されています。

  • メリット
    • 定額制。通信速度が速い。提供エリアが広い。アナログ回線があれば宅内工事は不要。
  • デメリット
    • 速度が距離依存。環境に弱い。アップロードが遅い。
  • 現状
    • ADSLから光にユーザーが流れている。サービスエリアの拡大、光サービスの品質のよさ、光サービスの営業戦略(多額のキャッシュバックやキャンペーンなど)による。

ADSL - Wikipedia


FTTH光ファイバー通信(サービス名:BフレッツBフレッツプレミアムなど)

FTTH=Fiber to the home、光ファイバーを家まで引き込むということです。
光での通信はかなり速く、最大100Mbpsの通信が可能と銘打って登場しました。
ADSLと比べ速度が上がっただけでなく、最大100Mbpsというのはアップロードダウンロード両方ともです。
動画や音声ファイルをアップロードも簡単になりました。
しかし、光ファイバーを家まで引き込むということは、その通り工事が必要になります。
申し込みから開通まで、繁忙期は1ヶ月待ちはあたりまえ、2ヶ月3ヶ月待ちもありました。
今では少しずつ開通までの期間も短くなっていっているようです。
最大200Mbps、1Gbpsの速さを提供するサービスもでてきました。

  • メリット
    • 速度が速い。環境に強い。距離に依存しない。
  • デメリット
    • 戸建ては料金が高い場合がある。ADSLに比べ提供エリアは狭い。工事が必要。
  • 現状
    • 先進各国はNGN(Next Generation Network)という次世代ネットワークを構築途中である。

※これもいつか記事にします。




今回は主に一般エンドユーザー向けサービスを中心に簡単にまとめてみましたが、
企業向けネットワークもインターネットの歴史上、さまざまな遷移がありました。
ということで次は企業向けのインターネットサービスの概要をまとめてみます。
あと、電話(固定電話やIP電話)、ISDNADSL、今各事業者が推し進めているNGNについて書いていきます。