インストラクションの極意

前回働いていた職場では、管理者という立場上、
プレゼンテーションや業務研修などのインストラクションをすることが多々あった。
最初はおぼつかない様であったが、
何度もするうちに、慣れていき、コツというものがだんだんわかってきた。

挙げると本当にきりがないんだけど、
基本的なことを残しておく。


インストラクションとは

インストラクションは「教える事」

大切なのは

インストラクションでは、
「説得力」・「表現力」・「理解力」
の三つが最も重要な要素だと思う。


説得力

説得力は、インストラクションを聴く気、理解させる気を起こさせる要素である。
例えば「声が小さい」「自信がなさそう」「態度が悪い」ということがあれば
その人の説明を受けたくないだろう。

1. 声量

席後方まで届く適切な声量でなければ、
内容が良くてもそもそも聴こえない。
聴こえていても、聴く意欲が減る。
適切な声量でハキハキしゃべる。

2.姿勢、態度

相手を見下した態度を取らないことはもちろん、
TPOに合わせた服装や言葉使いも必要になる。
見本となるべき講師は、姿勢もただした方効果的だ。

3.アイコンタクト

時折で構わないので相手と目を合わせる。
聴く側の立場を考えれば分かるが、
話すときに目も合わせてくれない人からは説明を受けたくないだろう。
自信のない裏返しにも見える。

4.自信を持つ

自信のなさそうな人から説明を受けても、
本当に正しい内容の説明を受けているのかと、受講者は不安になるだけだ。
自分がしっかり説明できる知識を蓄えてから、
講師に臨む必要がある。
分からない質問に対しては、挙動不審になってはだめ。
その場ではブラフをかます大胆さも必要。
もちろん、あとから陰で一生懸命調べてきちんと正しい答えを教える。

5.口癖に気をつける

ありがちなのが「〜だと思います」という言い方。
本当にそうなのか?と不安にさせてしまう。
他にも、口頭に「え〜」「あの〜」という
口癖をなくすだけで、説得力が増す。


表現力

同じ事を説明していても、分かりやすい説明と分かりにくい説明がある。
その他にも同じテンションで説明すると、どの点が本当に重要なのか
わからないことも多い。
うまく表現して伝えなければ、大事な要素が伝わらない。

1.トークスピード

相手にとって適切なスピードで説明を進める。
相手の理解が早い場合は、スピードを少しあげると
むしろテンポが良くなることもある。

2.ワンセンテンスを短く、結論先だし

人は長い文章で説明されればされるほど、
その中で重要なことがわからなくなる。
重要な部分ほどなるべく一文章を短くして、
分かりやすく伝えることが大切。
そして、結論はなるべく先に言う。
それから詳細の説明、という流れがもっとも理解しやすい。
説明からウダウダ説明すると、結局何について説明しているのか
相手が分からなくなってしまうことがある。

3.ジェスチャーをつける

身振り手振りをする、大事なポイントはきちんと指して説明する。
ジェスチャーをつけることによって、
より印象づける表現ができる。

4.具体例を挙げる

表現をする上で最も大事だと思うのが、具体例を挙げて説明をすること。
専門的な知識を説明する時ほど、
なるべく一般的な事例に置き換えて説明する。
例:ブロードバンドはナローバンドと比べて速度が速い
→「ブロードバンドは道路が広い。そのため混雑がなく車の速度が速い。」
という風に具体的なイメージを伝えるとより印象にのこる。

5.抑揚、間、繰り返しを意識する

要点、大事な部分は抑揚をつけたり、間をひと呼吸おいたりして
集中して聴いてもらう。
そして、繰り返し言う。大事な部分を覚えてほしいときに有効だ。

理解力

理解力ってのは、相手が理解する力ではない。
相手がどの程度知識をつけれているか、
相手がどの部分でつまずいているのか、
理解をしてあげなければいけない。

1.双方向の説明をする

定期的に理解しているかどうかを測る。
相手に質問をして、理解をしているかどうかを知る。
分かってない場合は、どの部分が分かってないのかを知る。

2.「説明する意味」を説明する

これは意外に大切。
なぜ今回の研修をするのか、なぜこれを教えるのか、
いつこれが役に立つのかを説明しなければ、
相手は意味を見いだせずぼんやり研修を受ける事になる。

3.マクロ・ミクロ両方の視点を持たせる

相手がどの部分を理解していないのか、分からない時があるだろう。
それは、相手がまず全体像をつかんでいない可能性がある。
教える順番は大切だ。
ただ上から順に教えているだけだと、
全体像のどの部分を説明しているのか、
全くイメージできなくなってしまう恐れがある。
なので、最初で全体を理解してもらい、
次に細かい説明、というのがベターである。
相手がどの部分で理解できていないのかも、
分かりやすくなる。

4.砕く

雰囲気はできるだけ、砕く。
なるべくフレンドリーな雰囲気にもっていくことによって
親身な話がしやすい。
これは人数やTPOが絡んでくるので、
雰囲気を読んで、お互いが話しやすい雰囲気にもっていくように努めよう。
それができれば相手は気兼ねなく分からないところを質問してくれる。

5.客観的視点に立つ

定期的に自分の説明・研修を振り返る。
業界用語や難しい単語を使いすぎてないか、
分かりにくい表現をしてしまっていないか、
本当にその伝え方で素人に理解してもらえるか。
下手な説明の仕方のままで固まるのは問題だ。




研修していると、寝ちゃう人・眠そうな人っているんだよね。
それはその人が全く覚える意欲がない人ならともかく、
講師をする人は「自分のインストラクションに問題があるじゃないか」
ということを考えてほしい。
理解できることは楽しいこと。
相手は理解していないから、楽しくなくて寝てしまうのかも。

あいつは寝るからしょーもない。って思ってるだけじゃあ三流。